レーシングシム

🚗 なぜレーシングシミュレーター / eモータースポーツを始める人が少ないのか

前回は「なぜ飽きるのか」をテーマに始めてから飽きるまでを書きましたが、今回は逆に「なぜ始める人が少ないのか」ということをテーマに書いていきたいと思います。

今回もAIを駆使して書いていますのでツッコミどころがあっても心のなかでツッコむだけにしておいてください。


🎮 「知られている」は成立しているのか

プレイヤー人口や認知という意味で、象徴的なのが 「Gran Turismo(グランツーリスモ)」シリーズ だ。

『グランツーリスモ』シリーズは1997年の誕生以来、世界で累計100百万本(1億本)以上の販売を記録している
これはPlayStationブランド史上でも最大級の数字だ。

『Gran Turismo Sport』だけで数百万本規模の売上を生んでいる既存の競技系レーシングゲームであり、作品そのものは広く出回っている。

つまり、一般のゲーマーで「レーシング系のゲーム」を知らない人はほぼいないと言ってよいほど、認知のベースはあるはずだ。

しかし、逆に言えば「知っている」だけで終わってしまっている現実もある。


🚧 なぜ始める人が少ないのか

ここからは、始めるまでの心理的・経済的・文化的な障壁を整理する。

🛠 機材のハードルが高い

レーシングシミュレーターは、他のeスポーツとは違って専用機材が前提になることが多い
パッドコントローラーでも楽しむことは可能だが、その楽しさを最大限にするには専用機材が必要となる。

例えば:

  • ハンドルコントローラー(ハンコン)
  • ペダル
  • DD(ダイレクトドライブ)ベース
  • コックピットリグ(固定用フレーム)
  • ディスプレイ複数枚

こうしたものは総額で数万円〜数十万円、本格的なものになると数百万円になることが普通で、気軽に始めるには心理的ハードルが高い。

対してFPSやMOBAは、

「すでに持っているPC/ゲーム機」と「パッド / キーボード・マウス」だけで始められる。

この差は大きい。


📰 情報が圧倒的に少ないという壁

もう一つ、見落とされがちだけど大きな問題がある。

それは情報の少なさだ。

今でこそ多少は増えたとはいえ、レーシングシミュレーターに関する情報は、他の趣味やeスポーツと比べて圧倒的に少ない

例えばFPSや格闘ゲームなら、

  • おすすめデバイス比較記事
  • プロ使用機材まとめ
  • 初心者向け設定ガイド
  • 感度の合わせ方解説
  • YouTubeでの入門動画
  • Twitchでの配信アーカイブ

情報が溢れているし、検索すればすぐ出てくる。
迷っても、誰かがすでに解説している。

一方でレーシングシムはどうか。

  • ハンコンはどれを選べばいいのか
  • DDとベルトドライブの違いは何か
  • ペダルはロードセルが必要なのか
  • コックピットは本当に必要なのか
  • 設定はどうしたら良いのか
  • どこで買うのが安全なのか
  • 中古はアリなのか
  • 買う前に体験できる場所はあるのか

こういった基本情報が、体系的にまとまっていない。

レビューはあっても断片的。
専門用語も多く、初心者には理解が難しい。
販売店も限られている。

さらに厄介なのは、「試してから買う」がほぼできないこと。

家電なら量販店で触れる。
ゴルフならお店で試打、打ちっぱなしで体験できる。
楽器なら試奏できる。

しかしレーシングシムは、

  • 体験施設が少ない
  • 店舗展示も限定的
  • コミュニティも閉じ気味

結果として、買う前に具体的なイメージを持ちにくい

これはかなり大きな心理的障壁だと思う。


💰 情報が少ないのは「儲からない」からかもしれない

もう一段踏み込んで考えてみる。

なぜレーシングシミュレーターの情報は少ないのか。

単純にマニアックだから?人口が少ないから?

もちろんそれもある。

でも、もう少し現実的な話をすると、情報をまとめても大きく儲からないからという側面もあると思っている。


📊 情報は「市場規模」に比例する

現代の情報はビジネスと切り離せない。

例えば:

  • FPSのデバイス比較記事
  • 格闘ゲームのコントローラー特集
  • MOBAの初心者向け解説

これらは検索需要が膨大にある。

検索される
→ 広告収益が発生する
→ 企業が記事を書く
→ YouTuberが動画を出す
→ 情報が増える
→ さらに参入者が増える

この好循環がある。

一方、レーシングシミュレーターはどうか。

  • 検索ボリュームが少ない
  • 高額機材はそもそも売れる数が少ない
  • アフィリエイト単価は高くても母数が少ない

つまり、労力に対してリターンが小さい市場になりやすい。


🧠 情報が少ない → 参入者が増えない

ここが一番重要だ。

情報が少ないと、

  • 比較記事が少ない
  • おすすめ一覧が少ない
  • 初心者向け導線が弱い
  • 失敗談やレビューが蓄積されない

結果、「よく分からないからやめておこう」となる。

そして参入者が増えない。

参入者が増えないから市場が大きくならない。
市場が大きくならないから情報を作る人が増えない。

完全に循環が止まっている。


📉 まとめる価値がない市場は広がらない

極端に言えば、

まとめる価値がある市場は伸びる。
まとめても価値が出にくい市場は広がりにくい。

これはYouTubeやブログ文化の時代では特に顕著だ。

FPSやMOBAは

  • 大会が盛り上がる
  • 配信者がいる
  • 視聴者が多い
  • デバイス市場が巨大

だから情報が無限に生まれる。

レーシングシムは、

  • 機材は高額
  • 人口は少ない
  • 競技はニッチ
  • 露出が少ない

結果として、情報をまとめるインセンティブが弱いこの構造が、参入障壁をさらに高めている。


🔄 つまり「情報不足」は偶然ではない

情報が少ないのは偶然ではない。

市場規模が小さいから
→ 情報が増えない
→ 新規参入が増えない
→ 市場が拡大しない

という構造的な問題だ。

そしてこれは、

**機材の高さや置き場所問題よりも深い“文化的な壁”**かもしれない。


情報が少ないと、人は動かない

人は「わからないもの」に対して慎重になる

特に、

  • 数万円〜数十万円の買い物
  • 設置スペースが必要
  • 返品が難しい
  • 飽きたら機材はどうする?

こうした条件が揃うと、なおさらだ。

情報が多ければ、「とりあえずこれを買えばOK」という“安心ルート”ができる。

しかしレーシングシミュレーターには王道のスターターパッケージのような共通認識がまだ弱く、結果として、始める前に調べる段階で疲れてしまう。

これもまた、始める人が少ない大きな理由の一つだと思っている。


📦 置き場所の物理的制約

レーシングシミュレーター機材は「置く場所」が必要だ。

机の上で完結するFPSなどに比べて、足元スペース・モニター位置・配線の整理まで必要になる。
都市部や狭い住環境では、それだけで始めづらい現実がある。

既にレーシングシミュレーターを楽しんでいる方の中には、その置き場所の大きさに肩身の狭い思いをしている人も少なくないはずだ。


💡 始めるまでの体験の遠さ

FPS / MOBA / 格闘ゲームは、始めよう!と思ったその日からプレイ感を味わえる。

しかしレーシングシミュレーターは、

  1. 機材を揃える
  2. 設定を調整する
  3. コントロールに慣れる
  4. コースを練習する

というステップが必要になり、「最初の楽しさが遠い」。

この最初の体験の遠さが、入り口を狭くしている


📊 eモータースポーツとeスポーツの決定的な違い

ここからは競技人口や視聴文化の面で「なぜeモータースポーツが広がらないのか」を他のeスポーツと対比する。


🏆 主要eスポーツタイトルの規模感

世界的に見て人気のあるeスポーツは、数百万〜数千万規模の視聴者やユーザーを持つタイトルが多い。

  • League of Legends
    月間1億人以上アクティブ。世界最多プレイヤー数で、競技人口と視聴者が巨大(推定100+ million 活動者)。
    賞金総額例:世界大会総額数億円規模(『Worlds』など)。
  • Valorant
    数百万台のピーク視聴者、eスポーツ大会『Valorant Champions Tour』などで数億円級の賞金提供
  • Apex Legends
    数十万〜数百万同時接続ユーザー、グローバルシリーズ大会で最高500万ドル(約5.5億円)規模の大会実施例あり。
  • CS2 / Counter-Strike 2
    世界大会で数千万ドル(数億円)規模の賞金も。

これらのタイトルは、配信文化や大会、プロリーグが成熟しており、視聴者数も桁違いだ。
例えば eスポーツ全体の視聴者は5億人超に成長しているとの推定もある。

これらは世界的な視聴者数や賞金総額の面でメインストリーム級の存在になっている。


🚗 一方のeモータースポーツ(Sim Racing)の状況

eモータースポーツも公式大会例はある。

『Assetto Corsa Competizione』は国際大会「Global eSports Games 2024」の公式種目として採用され、日本代表選考大会が開催された例もある。
予選には100を超える国と地域が参加し、最終的に約1,000人の選手が出場した。

しかし、視聴者数・ファン数・配信文化としての盛り上がりは、他のトップeスポーツタイトルとは比べものにならないのが現状だ。
実際、Sim Racingの配信視聴規模は大きな大会でも数千〜数万規模という意見もある(主要配信比較)。


🇯🇵 国内におけるeモータースポーツ(Sim Racing)のリアルな状況

レーシングシミュレーターやeモータースポーツは、海外では一定のコミュニティが存在しているものの、日本国内でもここ数年でようやく具体的な取り組みや大会が増えつつある段階です。

ただし現時点では、視聴者数や競技人口といった「文化として浸透した」とは言い切れない状況にあります。


ホンダ公式「Honda Racing eMS」

最も象徴的な例が、ホンダ・レーシングによる公式eモータースポーツイベント「Honda Racing eMS です。

この大会は『グランツーリスモ7』を用いたグローバルなeモータースポーツイベントで、2023年から開催されています。

2024年には世界70か国以上から延べ20万人以上が参加し、初年度の開催と合わせて累計40万人を超えるプレイヤーがオンライン予選などに参加する規模にまで成長しています。
2025年大会では、オンライン予選が実施され、アジア・オセアニア/欧州・中東・アフリカ/北米・中南米の3つの地域ごとにチャンピオンを決める形式になっています。

こうした国際的な展開は、国内プレイヤーにも参加機会を広げています。


国内大会「e-DGMS」

日本では企業主導の大会も行われています。

代表的なのが、ダイワグループが2020年から展開している「e-DGMS(e-DG motorsports) です。

この大会は『グランツーリスモ7』を使ったオンライン大会としてスタートし、2025年には東京オートサロン内でオフライン大会も開催されるなど、リアルイベントとオンラインの両方が展開されています。

免許の有無に関係なく参加でき、ネット環境があれば観戦も可能という点で、比較的敷居が低い大会になっています。


プロリーグ「UNIZONE」

国内には、一般社団法人日本eモータースポーツ機構(JeMO)によるプロリーグ「UNIZONE というリーグ戦も存在します。

これは『iRacing』を使用したeモータースポーツリーグで、2025年シーズンは複数ラウンドが予定され、全国5会場で実施されたオンライン形式の「HOME&HOME」レースなども行われています。
特徴としては、チーム制での開催やリアルレーサーの参加条件設定など、“リアルモータースポーツとの融合” を目指したルール設計が行われている点で、単なるゲーム大会とは異なる位置づけのプロ競技として動き始めています。


体験イベントの増加

大会だけでなく、体験型イベントも全国各地で増えています

例えば「JEGT e-Motorsports Experience」は、北海道札幌市や東京都・神奈川・大阪といった都市圏のモールやスポットで開催され、初心者から上級者まで参加できるタイムアタックやレース体験が行われています。
30分単位の練習走行→予選タイムアタック→本戦という流れで、実際に機材に座って競い合う機会を提供しています。

また、『SUZUKA eMOTORSPORTS EXPERIENCE』のように、鈴鹿サーキット周辺でレーシングシミュレーターを体験したり交流戦が行われたりするイベントも定期的に開催されており、実車ドライバーやコミュニティプレイヤーが交わる機会もあります。
こうしたイベントは、単なるゲームとは違う「モータースポーツ文化の広がり」を感じさせる場になっています。


✳ まとめ:国内Sim Racingの現状(読める状況)

これらを総合すると、日本国内のeモータースポーツ環境は次のように整理できます。

  • 公式大会がある:Honda Racing eMSのように大規模で国際的なイベントが継続開催されている。
  • 企業大会がある:e-DGMS のように企業主導でオンライン+オフライン大会が定着しつつある。
  • リーグ形式の大会がある:UNIZONE のようにリーグ戦やプロリーグが展開されている。
  • 体験イベントが増えている:JEGT e-Motorsports Experience や SUZUKA eMOTORSPORTS EXPERIENCE など、参加・体験機会が増加している。

📉 課題としての「視聴・配信・文化浸透」

とはいえ、国内での日常的な観戦人口や配信文化はまだ限定的です。

多くの大会やイベントはYouTubeなどで配信されても、視聴者の桁は大きなeスポーツタイトルとは比べものにならないのが現状です。
大会自体は増えていますが、「誰もが見たい」「誰もが応援したい」 という視聴文化の定着にはまだ時間がかかっていると言えるでしょう。


📺 配信者文化の決定的な差

FPSやMOBAが広がった要因の一つは「配信文化」が中心にあることだ。

世界的に有名な配信者やプロプレイヤーが存在し、視聴者はそのプレイを見て憧れ、自分もプレイしてみようと動く。

その後、

  • 自分で配信してみる
  • コミュニティが生まれる
  • 観戦市場が成長する

という循環ができている。

例えばLoLやValorantは、TwitchやYouTubeで数十万〜百万単位の視聴者を集めることが珍しくない

対してeモータースポーツには、

  • 日常的に視聴者を集める配信者
  • 憧れのプレイヤー

といった文化基盤がほとんど育っていない

これが「始めよう」という動機付けを弱め、視聴者人口の圧倒的差が参入障壁の低さにも繋がっていると考えられる。


🏆 競技としての魅力と拡散とのギャップ

eスポーツの大舞台では、選手が世界を目指す「明確な道筋」があり、賞金も夢を見せる。

一方、eモータースポーツは

✔ リアル路線の正確さが強み
✖ しかし視聴体験・スター形成が弱い

という“伸び代が逆向きの構造”になっている。


🧠 まとめ:始めるまでが最大の壁

ここまでを整理すると、eモータースポーツが爆発的に広がらない理由は次のようになる。

✔ 経済的なハードルが高い

(機材・スペース・設置コスト)

✔ 始めるまでの体験が遠い

(設定・慣れの必要性)

✔ 配信・視聴文化が育っていない

(憧れのプレイヤーが存在しにくい)

✔ 他eスポーツとの差が視覚的に大きい

(ユーザー数・視聴者・賞金)

こうした複合的な要因が、「知っているのに始められない」という状況を生んでいる。


📌 具体的に必要なものと費用の目安

ここからは、実際に始める上で必要なアイテムと金額の例を整理する。

🎮 スターター構成(最低限)

  • ハンコン + ペダル(入門〜中級帯):5万円前後〜
  • ソフト(Steam等):数千〜1万円程度
  • PC / ゲーム機(既存でOK)

まずは10万円以内からスタート可能
(ただし快適さや競技レベルは限定的)


📈 中級〜本格構成

  • DDホイールベース:10万円〜30万円程度
  • 高性能ペダル:5万円〜15万円
  • 専用ステアリング:10万円~30万円
  • コックピットリグ:5万円〜30万円
  • PCやモニターなどのアップグレード:数十万円〜100万円

本格的なeモータースポーツ向け環境は100万円以上になることも珍しくない。


📣 配信文化を育てるための戦略案

eモータースポーツが広がるためには、文化的な側面の強化も必要だ。

🎧 配信者支援

  • 大会出場者や上位プレイヤーを支援して配信露出を増やす
  • 初心者向け配信・実況付きプレイ

📺 観戦しやすい演出

  • レース全体を1画面で把握できるUI
  • 観戦モードの強化
  • 解説付きライブ

🏆 競技シリーズ化

  • 小〜大規模大会の定期開催
  • 地域リーグ
  • 日本国内予選を充実させる

こうした文化インフラを整備することで、**「憧れ → 体験 → 継続」**の流れが形成されやすくなる。


✨ 結論:存在知識はあっても始められない理由

レーシングシミュレーターは知名度こそあるものの、参入の敷居が高い。
他のeスポーツと比べて、

✔ 視聴者が少ない
✔ 配信文化が弱い
✔ 物理的コストが大きい
✔ 観戦体験がまだ整っていない

という構造的な違いがある。

でも、これは逆に言えば 改善の余地が大きい分野 でもある。

但し、現状の国内レーシングシミュレーター事情をなんとなく知る自分としてはなにか抜本的な改善がない限り大きく発展していくことは難しいように感じているという私見を述べて今回の記事を終わりにしたいと思います。

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